ミュシャ展 運命の女たち@静岡市美術館②浮世絵とミュシャ

前回はこちら。

連作《四季》の「冬」と浮世絵

うわー浮世絵だ!と思ったのが有名な連作《四季》の中の「冬」の背景です。
この連作《四季》は当時から人気が高かったために色々なバージョンがあるのですが、ここでは今回来ていた1900年の連作装飾パネルを取り上げます。


連作装飾パネル《四季:春、夏、秋、冬》1900年

とにかく「冬」の女性の布の被り方が可愛いんですよね。
もう1組、カレンダーの《四季》も来ていたのですが、そちらも「冬」はこの布の被り方をしていました。
この被り方によって、私は「冬」は他の季節と比べると何となくキュート系の女性に見えます。
でももしかしたら、全てを見せないミステリアスな女性と感じる場合もあるかもしれませんね。
女性の多面性、たまらないです。

で、この「冬」の雪の表現がかなり浮世絵っぽいなと思いました。
5月に名作誕生ーつながる日本美術展@東博で友人に色々と教えてもらったので、その印象が残っていたからだと思いますが、ぱっと浮かんだのは若冲の《雪梅雄鶏図》でした。

伊藤若冲《雪梅雄鶏図》江戸時代(18世紀)、両足院

枝に張り付いたような、少し重みのある雪の表現がそれっぽい感じがしますね。
直接のイメージソースとして若冲ミュシャというわけではないでしょうけど、大雑把に「浮世絵」→ミュシャという因果関係はかなりあるんじゃないかなと思います。

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最後に静岡でしか観られないとっておきのコレクションで見つけてしまった芥子の花の話だけ、また次回にさせてください。
あとお土産も大量に買ってしまったので、そちらも紹介させてもらおうと思います。

続きです!